研修会開催報告

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第26回研修会(2019年12月7日)

2019年12月07日

 62名の参加者があった第26回研修会は、石綿と禁煙の2つのテーマで講演を行いました。

 はじめは、外山尚樹氏による講演「これからの石綿対策(演習付)」でした。
 2004年にアスベスト入り建材が使用禁止となりましたが、20~40年という長い潜伏期間を考えると今後も中皮腫り患者の増加が予測されているとのことです。また、暴露は大工さんなどの石綿作業によるものだけでなく、建物の吹付材を原因とした建物内の人、さらには発生源の周囲の人も石綿被害を受けてしまうと改めて認識しました。

 講演の後に、飛散事故の新聞記事を事例として取り上げ、グループ討議・発表を行い、産業保健スタッフとしてどのうように関わることができるのかを考えました。


外山尚紀氏

 次は、望月友美子氏による講演「健康経営は禁煙から~WHO「禁煙革命」と日本対がん協会の禁煙戦略」でした。


望月友美子氏

 日本対がん協会は、①喫煙者をなくす ②受動喫煙をなくす ③喫煙開始をなくす ④たばこ産業との利害をなくす ⑤新型タバコもなくす という「タバコゼロ宣言」を唱え、多様な活動を行っているとの紹介がありました

 タバコをドラッグとするならヘロイン・コカインに次いで依存が強く、紙巻きタバコによる喫煙者は減っているものの新型タバコや電子タバコが手を変え品を変え業績を伸ばしており、それによって現在減少している肺がん死亡者が、遠い将来、再び増加することが懸念されるとのことでした。

 講師の精力的な活動と、「タバコゼロ」に向ける熱意が伝わる講演でした。

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第25回研修会(2019年6月1日)

2019年06月01日

 ストレスチェックをテーマに第25回研修会を開催しました。10連休の影響か申し込みがなかなか伸びずに心配しましたが、当日は104名の方が参加し、盛会にて終了しました。

 講演1は金子美貴子氏による「ストレスチェック後の職場環境改善支援~集団分析結果が戻ってきたら?~」でした。ストレスチェック制度について簡単な説明から始まり、集団分析の実施状況や利用状況、ストレス判定図の集計・分析などの解説がありました。その後、事例を出し、この事業場で何が起きていたのかを参加者とともに考えました。最後に集団分析活用による職場改善には①経営者主導②管理職主導③従業員主導の方法があり、そのメリット・デメリットについて解説されました。そして集団分析の活用には安全衛生委員会で審議調査し、できることから職場改善を進めていくことが大切だということでした。


金子美貴子氏

 講演2は江藤敏治氏による「ストレスチェックから導く健『幸』経営」でした。江藤氏が実際に関わった企業のストレスチェックの集団分析結果から産業医や産業カウンセラーとともにセミナーを開催し、職場改善に至ったケースが紹介されました。企業や従業員が健康(健幸)でいるために集団分析からのアプローチが有効であるとのことでした。また、「産業医に必要な要素は企業を元気にできること」「元気にするにはコミュニケーションが重要」「そのためには自分を知ること」と説明されました。要所要所では隣同士・グループでの討議があり、参加者全員が研修会中に意見を出し合い、笑顔が多く見られた講演でした。

 
江藤敏治氏

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第24回研修会(2018年12月15日)

2018年12月15日

 12月15日に県医師会館で第24回研修会を開催し、全体を通して82名が参加しました。

 第1部は永田久雄氏による講演「職場における転倒防止」でした。転倒災害の現状やリスクについてたくさんの写真と動画を用いて解説していただき、実際の転倒の状況について詳しく知ることができました。また、転倒災害防止教育には教育テキストだけではなく、事故動画の活用・体験型教育・運動など様々な角度からの取り組みが必要であるとの説明がありました。


永田久雄氏

 第2部は「発達障がい者への支援~日常生活や職場での適応に向けて~」として、最初に桑原恵子氏より発達障害者支援センターの概要と相談内容についてのお話があり、続いて発達障がい者の特性や支援・配慮について説明していただきました。


桑原恵子氏

 次に山永明氏より新潟障害者職業センターの紹介を兼ねて障害者の就職について説明がありました。その後3~4人のグループにわかれ、企業担当者が助言する場面を想定した演習を行いました。

 
山永明氏

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第23回研修会(2018年6月2日)

2018年06月02日

 6/2(土)に開催した第23回研修会は、産業医・看護職を中心に120名の方にご参加いただき無事に終了しました。

 前半は、神村栄一氏による講演「産業領域でフル活用する認知行動療法-理論技法の概説と事例による学び-」でした。認知行動療法は自然治癒をプラスへ刺激する行動科学的工夫の集まりであり、もともと自然治癒がそこそこある心の不調に対して有効であるとのことでした。この他にうつの成人男性の事例紹介やストレスチェックについても触れていただきました。


神村栄一氏

 後半は、田村三樹夫氏による講演「化学物質の有害性の特定とリスクアセスメントの進め方-SDSの活用-」でした。リスクアセスメントの対象となる化学物質等に係る危険性有害性に関する情報とそれらの定量的リスク評価・定性的リスク評価について解説していただきました。その後、リスクラベルについての個人ワークを行い、結果に基づく健康障害防止措置についての説明もありました。


田村三樹夫氏

 また、今回は2018年度の総会も併せて実施しました。幹事の交代があり、規約を変更しました。

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第22回研修会(2017年12月9日)

2017年12月09日

12月9日(土)に第22回研修会を開催し、全体を通して95名の方にご参加ただきました。

 第一部は石川善樹氏による講演「人生100年時代における働き方と健康づくり」でした。最初に、社員に展開しやすい健康経営のポイントや、集団に働きかけるポイントとしてフィンランドでの実例の紹介がありました。また、2007年生まれの子供は平均寿命が107歳になると言われており、50歳から75歳までの第2期ワークをいかに生きるか、現在の60歳定年の発想の転換が必要になると考えさせられる講演でした。


会場風景

 第二部は神應知道氏による講演「働き方改革から生き方改革へ」でした。健康に生きるためには生き方・生きがい・家族・ゆとりが必要であること、人生100年時代にはつながる・楽しむ・学ぶ・わかちあう・・・といったことがキーワードになるとお話しいただきました。そして、マイナス要因をいかに楽しくしていくか、自分にとって何が元気を上げるのか、理想とする将来は、などを考えていきました。

 どちらの講演も、途中で4名一組で課題に対してのディスカッションを行いました。

 
グループディスカッションの様子

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第21回研修会(2017年6月10日)

2017年09月10日

 127名の参加者があった第21回研修会は、「喫煙対策」と「安全衛生委員会の活用」の異なるテーマの2部構成で開催しました。

 講演1「たばこ対策-産業保健関係者としてできること、社会としてやるべきこと」では、中村正和氏より職場の喫煙対策の必要性や取組方法、社会として行うべき対策について説明がありました。取組事例では、従業員に理解してもらうためのプロセスや喫煙者に対する禁煙支援などを具体的に紹介していただきました。

 
中村 正和 氏

 講演2は、新津谷真人氏による「産業保健活動への安全衛生委員会の活用方法について」でした。法律や規則についての解説から実際の事業場での開催状況まで幅広く説明していただきました。喫煙、メンタルヘルス、就業区分の導入など具体的な事例の紹介があり、安全衛生委員会を積極的に活用していく上で参考になる講義でした。


中村 正和 氏

 また、当日は2017年度総会を同時に開催し、会長より収支報告や2017年度の活動状況について報告がありました。

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第20回研修会(2016年12月10日)

2016年12月10日

 12月10日(土)、新潟県医師会館において第20回研修会を開催しました。

 前半は近利雄先生による講演「アジア途上国への渡航者のための感染症対策」でした。渡航者の健康管理として感染症対策(防蚊対策・狂犬病・下痢・衛生)のリスクアセスメントについて論じた後、渡航前のワクチン接種や渡航後の注意点についてのリスクマネジメントを講義されました。
 海外では、日本の医療事情や承認状況にそぐわない内容が多々含まれており、臨床場面での実施は自己責任であることを述べられ、途上国の感染症対策の難しさが垣間見えました。

 後半は浜口伝博先生による講演「ストレスチェックの実際の運用と課題」でした。職場環境の変化、職場の人間関係、過労、うつ病など様々な要因から起きる自殺の危機経路を論じ、ストレスチェック制度実施のための法改正の背景を説明されました。また、ストレスチェックに対する医師の安全配慮義務(予見義務・結果回避義務)が発生するのか、判例を用いて問題提起されていました。
 時々ユーモアを交え、会場からの笑いが絶えない講義でした。


会場風景

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第19回研修会(2016年6月4日)

2016年06月04日

 今回は、京都大学より上床輝久先生をお呼びして「職場における発達障害」をテーマに講演と事例検討を行い、119名の方に参加していただきました。

 講演では発達障害の基本的考え方、職場の人間関係下での影響や問題点を事例を交えて論ずるとともに、発達障害の特性・文化を理解することが支援の始まりになると述べられました。また、コミュニケーションの困難・こだわりの強さ・独特な感覚・注意集中の困難・衝動性などそれぞれの特性に応じた支援が効果的であり、適切な支援がメンタル不調や二次障害の予防につながると結論付けられました。

 
上床 輝久 氏


会場風景

 事例検討では15グループにわかれて産業職場での発達障害の事例をもとに、グループワークでの議論を通した対処法の検討を行いました。その後各グループの発表者が事例毎の課題や対処法を発表し、上床先生より講評を受けました。難しい事例でしたが、素晴らしい解答がたくさん挙げられ、とても盛り上がりました。


事例検討の様子

 また、2016年度総会も同時に開催し、昨年度の収支や活動状況、規約の改訂などについて報告いたしました。最新の規約はこちらでご確認ください。

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第17回研修会(2015年6月27日)

2015年06月27日

6月27日に2015年度総会・第17回研修会を開催し、産業医・看護職を中心に157名が参加しました。 

 第17回研修会では、大野 裕先生 (一般社団法人認知行動療法研修開発センター 理事長)を講師として招き、ワークショップ「認知行動療法を学ぶ」と題して、働く人たちのこころの健康を守るために、予防からリカバリーまで認知行動療法を活用するモデルをご紹介と、ワークショップ形式で活用の実際についてのご講演をいただきました。


大野 裕 氏

認知行動療法の概要とその実践について、①認知行動療法概論、②気づき、③認知行動療法のアプローチ(行動活性化、認知再構築法、問題解決、アサーション)、④認知行動療法活用の可能性 と順立てた説明、ワークショップであり、充実した内容の講習でした。


会場の様子

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第16回研修会(2014年12月6日)

2014年12月06日

 12月6日に新潟県医師会館にて第16回研修会が開催されました。強い寒気の影響で予想外の大雪となりましたが、交通機関が乱れる中、105名の方が参加しました。


会場の様子 

 第一部の教育講演は、長谷川文雄氏(新潟労働局労働基準部健康安全課長)による教育講演「これからの労働衛生行政について~法改正によるストレスチェック等~」でした。今年6月に行われた安衛法改正の内容について解説していただくとともに、法改正されることとなった社会的背景や行政の取り組みについてご講演いただきました。


長谷川文雄氏

 第二部の特別企画は「メンタルヘルス一次予防としての職場環境改善~「職場ドック」のすすめかた~」でした。急遽講師が交代となり、当日は佐野友美氏(公益財団法人労働科学研究所研究部協力研究員)より講師を務めていただきましたが、職場ドック体験・写真投票・チェックリスト演習・意見交換と非常に内容の濃い企画となりました。


佐野友美氏

  
写真投票の様子

 

 
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